ほぼパンデミック

「不図」感じた事の掃き溜め。ぼやきではない…はず。

いやぁ、良いんですよ。このブランド。

 

 

 

 

 

こんにちは。

 

 

 

曲がりなりにも服が好きな僕は、昨今の情報社会をくぐり抜け、

素晴らしい、美しい服に出会うべく日々Instagramを漁っております。

まさに「現代」って感じですね。

 

もちろん、Instagramは写真(動画)を媒体としている以上

あくまで二次元的、平面的にしか服を捉える事は出来ない…とまでは断言しませんが

ファーストインプレッションはやはり二次元的要因に由来します。

だからこそ「インスタ映え」ってヤツが幅を利かせる訳でして。

でも実際見てみたり、手にとってみたりしてみると、

写真から想像してたものとは違った、なんて事は日常茶飯事。

 

なので僕はInstagramに上がってる写真に対して、ある程度懐疑的に向き合っているのですが

あまりにも鮮やかに、美しく、優雅に目に飛び込んできたブランドがありました。

 

 

 

今回はこのブランドについてと、僕なりの考察になります。

 

 

 

 

 

Namacheko

www.instagram.com

ナマチェコ : NAMACHEKO - ファッションプレス

 

 

概要はいちいち書くのが面倒なので、上記リンクからどうぞ。

 

最近シーンで話題になるブランドのデザイナーの多くは

「○○でn年勤め、△△のデザインチームに在籍した経験を生かし〜」

の様な、学歴社会かと言わんばかりの経歴を押し出した(ファッションジャーナルに押し出されている)人である中

NamachekoのデザイナーであるLurr兄弟(兄Dilan,妹Lezan)に関しての経歴を正確に掲載しているジャーナルが見当たらない。

と言うか、クルド人って…

「そマ?!」って感じです。

もちろんいい意味で。

国を持たない最大の民族とも言われる程ですから、その文化がかなり色濃いものである事は想像に難くないでしょう。

なんでも、ナマチェコクルド族のアイデンティティを表現しているとか。

 

 

民族文化、か…

 

 

個人的に19ssは

国、言語、宗教、性別、民族…

あらゆるカテゴリの文化について触れた作品が様々なブランドからみられるシーズンだった気がするので

(19ssについても考察を描きたいのですがまた後日、というかこれらに触れるのは当たり前か…)

そういったculturalなモノに、僕は800lmくらいで目を光らせていると言う事もあり

唯ならぬ興味があります。ナマチェコさん。

 

あのThe Broken Armのバイヤー、アナイス・ラファージュにその才能を買われる程の天才。

RAF SIMONS以来の才能とも。

業界では「ネクスト・プラダ」なーんて言われているそうです。

僕はこの表現、あまり好きではありませんが。

とにかく、

 

 

 

 「これは実物を見なければ…!!」

 

 

 

と衝動に駆られたのが今年の五月のこと。

 

18ssが花を咲かせていた当時、ナマチェコを取り扱っていたショップのまぁ少ないこと。

奇跡的にもGR8が取り扱っており、足を運んだのですが

あまり多く買い付けておらず、じっくり見る時間もなく…

というか18ssコレクションにはあまりビビッとこなかった。

 

袖くらい通しておけばよかった。

無念。

 

 

 

 *1

 

 

 

そんなこんなで、上京してからお世話になりっきりのcontenastore shibuya*2

にてダベっている時のこと。

 

バイヤー・Kさん「19ss何か見た?」

僕「まだ全然見切れてないですけど、ナマチェコヤバかったっす…」

Kさん「ナマチェコほんま良かったよな〜」

僕「良かったっす…」

Kさん「あっ」

僕「?」

 

 

Kさん「そういえばウチ、入れるよ」

 

 

?!?!?!?!?!?!

 

 

劇的ビフォーアフターのあの名台詞がよぎりました。なんと言うことでしょう。

大好きなショップで実物をお目に掛けられる、しかも僕の好きな18awから…。

嬉しいったらありゃしません。

入荷した瞬間、光の速さで見に行きました。

 

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*3

 

 

一言で言うならば、圧巻。

 

僕の一番のお気に入りは、上の写真のボンバージャケット。

MA-1をベースに限りなく上品に解釈し、前下がりのベストを羽織らせた様な形。

これがまた良いんですわ。

上品が過ぎるHERMESのファブリック、

一本一万円のRACCAGNIのファスナー、

水牛の角を手作業で削り出したボタン…

 また、18awからRAF SIMONSに在籍するヘッドパタンナーが加入したそうです。

通りでシルエットが綺麗な訳だ。

 

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 *4

 

 

かっこよすぎん?

 

 

このジャケットはあまり縫製が目立つ作りではないのですが、調べたところ

Namachekoのクリエイションは、DRIES VAN NOTTEN, RAF SIMONS, Veronique Branquihno等々の名だたるブランドを手がけるベルギーの工場・Gysemans Clothing Groupが手がけているそうです。*5

安心感が違います。

 

 

先程述べた水牛の角のボタンですが

このボタンの形は今シーズンにおいてアイコニックなポジションにあるので

他の作品にもちらほら見られます。

ベストの首元やセーターのフロント、なんならこれのネックレスやブレスレットもありました。

 

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*6

 

 

かっこよすぎん?

 

 

ネックレス、ブレスレット、それそれ10ピース/各モチーフ(2種)のみの生産。

Lurr兄弟のお父様がジュエリー職人らしく、彼がこのアクセサリーのチェーンを製作したんだとか。

シルバー925製なのにホワイトゴールドの様な輝き。

残りの7.5%に何混ぜてるんだろう…とKさんとニヤニヤしてました。

僕の予想は5%くらいWG入ってる気がします。あくまで予想ですけどね。

 

 

他にも、高級家具テキスタイルブランド・kvadratの生地を使用したプルオーバーベストが印象的でした。

 

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*7

 

 

かっk(以下略)

 

サイドの脇寄りとバックのうなじ辺りにスナップボタンがありました。

なんと言うか、着ると言うより…かぶるって感じでした。

いやプルオーバーなんだから当たり前なんだけれども。

フィッシングベストやタクティカルベストの様な、ユーティリティに溢れるベストが蔓延する中

利便性を完全に排除したこのベスト。

上品の極みです。

痺れますなぁ。

豆知識ですが、kvadratの生地には10年保証が付いているそうです。

それだけ上質で、しっかりした生地なんでしょうね。

どう考えても衣服の生地ではありませんでした。褒め言葉です。

 

 

 

他にも特徴的なシルエットのシャツや、フロントにスリットの入ったスラックス等、

素晴らしい作品が多くありましたが

語彙力の乏しい僕が必死に言語化しても、逆にこの”作品”達の美しさが褪せてしまうので、この辺にしときます。

どの服にも言えますが、

袖を通せばわかる。

これに尽きます。

是非足を運んで見てください。

きっと、良い出会いがあると思います。

 

 

 

 

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ところで、冒頭の民族文化の話に戻りますが

 

ナマチェコのカラーパレットは緑が映える色合いになっています。

ショーの会場が緑基調だったり。

ナマチェコと”緑”は切っても切れない関係にあります。

そんな気がします。

兄・Dilan曰く

 

緑は『クルド人にとって革命、そして自由を表す色』だからね。

 

だそうです。

 

民族と色が密接な関係にあるのはよくある話で、

イタリアの緑はイタリア統一運動を発端とした変遷の軌跡が関係していたり

ラスタカラーの緑はジャマイカのラスタファリ運動を経て大成されたレゲエ文化における自然や大地を意味していたり

諸説はあるものの、国旗という色を用いるシンボルがある以上、

その国や民族にとって色は意味合いの強いものであることに間違いはないでしょう。

 

クルド民族にとっての緑をもう少し掘り下げてみました。

 

クルドの旗は水平三色旗で、上から赤色、白色、緑色となっている。赤はクルディスタンを守るために流された人々の血と自由と尊厳を得る日まで続く闘いを、白は平和と平等を、緑はクルディスタンの風景と美しさを表している。旗のちょうど中央には、21本の光を放射する金色(黄色)の太陽が描かれており、黄色は人々の生命と明かりの源を表す。*8

 

ん?風景と美しさ?

革命と自由は??

 

ガチのクルド人に聞けるのが最善ではありますが、僕はそこまでグローバルな浪人生ではありません。

ただ、似たような事が以前ラスタカラーについて調べていた時に起こった記憶があります。小学生の頃だったかなぁ。

表向きは緑は自然、

だけれどもラスタカラーヒンドゥー語で「道」を意味する、

よってラスタファリ運動の「道(経緯)」として解釈して、緑は「自由」…。

 

そもそもクルド人イラン系民族だからイスラム教だし、

イスラム教とヒンドゥー教は構造や教訓や戒律等の様々な側面から見て、かなり対照的な宗教のはず。

それでも国旗の色の解釈(自然⇔自由)は類似している…。

 

疑問ですなこりゃあ。

どなたか詳しい方がいらっしゃいましたら、是非御教授願います。

いやぁ、またまた興味深いことに出会ってしまいました。

知識欲に動かされるこの感じ、嫌いじゃない。

時間を見つけて調べてみます。

 

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*9

 

先程も述べた通り、ナマチェコのクリエイションは上質の極み。

妥協がありません。

それ故、お値段はかなりえげつないです。

でも分かる人には分かります。納得の値段。

兄・Dilanもこう言ってるくらいですし。

 

コレクション制作にあたって何一つ妥協はしていない。以前シルクシャツを作ったとき、メートル単価125ユーロの生地を使ったことがある。一枚のシャツの生地代だけで300ユーロ近くになるんだ(笑) 普通は高すぎるので使用しないと思うけれど、僕は使う。絶対に妥協したくないから。…(中略)…《ナマチェコ》のネームタグがついた商品で、たった200ユーロで買えるものは存在しない。Tシャツやスウェットなんて、作る興味すら湧かないよ。だって、そういうアイテムはすでに他の多くのブランドが作っているだろう。もしTシャツやスウェットが欲しいなら、他のブランドで買えばいい。《ナマチェコ》で買う必要はないんだ。僕はこれをとても健康的なやり方だと思っていて、そのようなマーケットに足を踏み入れたくないし、重要だとも思わない。他のアプローチも多くあるし、すべてのマーケットに対して万能である必要もない。ブランドとして、あるべきポジションにいるだけなんだ。何事も妥協せずに自身の道を貫くことは、ブランドを特別なものにすると信じている。みんながストリートウエアを作るなら、僕はテーラードやミニマルな服を作る。みんながプリントを多用していても、僕はプリントなんて一切やらない。

 

あぁ、好きですそのスタンス。

プリントが無いミニマルさ、素材の上品さで魅せていくその姿は性癖にクるものがあります。

そりゃこのスタンスであのクオリティならあれくらい行きますよね。

あのボンバージャケットでも25万円くらいでした。タケェ…

年内には欲しい…けど、優先順位的に僕はネックレスを取り置きして貰いました。

世界的に見てもまだウェアーの取り扱いすら数少ない上に、アクセサリーはもっと少ないですし、

なんせ10ピースはアツい。

「限定」に弱い日本人の典型です。

 

そう言えば

僕の感じた限りでは、ナマチェコはマーケットとして他国より日本を優位に見ている気がしました。

取り扱い店舗の総数然り…。

調べて見たら兄・Dilanのこんな発言が。

 

僕が今一緒に仕事をしている、《ラフ シモンズ》や《ヴェロニク ブランキーノ》を作っていたベルギーの『Gysemans Clothing Industry』という工場も、日本は重要なマーケットだと常に言っているよ。だからデザイナーズブランドの歴史の中で、日本は非常に需要な役割を担ってきたと言っていいはずだ。特にインディペンデントなブランドにとってはね。インディペンデントでいるためには、周りのサポートが不可欠だから。

 

日本人として嬉しく思いますな。 

 

こういった「本当に良いブランド」が日本のシーンである程度ニッチなものになる時代が来てほしいものです。

もちろん流行りがシーンを動かし、ブランドを動かすというモデルが一般的であって避けられない事実であるのも重々承知ですが、

あまりにも今のシーンは、こう、生臭い。

人間の私利私欲、魂胆、下心、そういったものまでも感じる事があります。

なんとかなりませんかね…。

 

 

 

 

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 *10

 

 

そんなこんなで、僕なりの考察でした。

いかがでしたか?

少しは興味が湧きましたか…?

もちろん、素人の僕が全てを知っている訳がないので

まだまだ至らない部分も山程ありますが、お許しください。

 

 

 

以下、参考にさせて頂いた記事のリンクです。

よければ覗いてみて下さい。

 

 

 

 

では。

 

 

 

 

 

 

 

themmagazine.net

www.nytimes.com

www.kodd-magazine.com

hero-magazine.com

 

初めまして。

 

 

初めまして。

 

以前からブログに興味はあったのですが、始めるタイミングを見計らっていたら三年程経っていました。

 

過去にブログに触れた経験はと言いますと…中学生のころのAmeba Blogですかね。

アメーバピグに始まった僕のAmeba活動の一環として。

同級生は愚か、歳上の”大人”に対してまでも痛々しいほどに斜に構え、厨二病真っ盛りな僕のブログと言うモノはまぁ悲惨なモノで。

 

せ-汰ムゎワルだヵラ学校にヶータィ持ってくょ(´・ω・`)←

 

なんてほざいてた言っていた程です。

ちなみに「せー汰ム」とは当時の僕の”半値”です。

ニックネーム的なヤツです。今はなんて言うのが主流なんだろう…。

HN、ハンネ、様々な呼び名がありますが、僕は”半値”でした。

「〜汰ム」や「㌧〜㌧」を名前に付けたり、半値の両サイドに「ƸӁƷ」を付けたりして、キラキラの限りを尽くすのが流行っていたあの時代です。

僕と同じ様な黒歴史をお持ちの方であれば、共感性羞恥を感じているのではないでしょうか。

 

  • 如何にイタく
  • 如何に自分が不良であるか
  • 如何に自分が特異点であるか

 

当時の僕は、これらをアピールする為に必死でした。

 

 

 

 

それから五年程経ち…

 

 

流石の僕でも成長しました。流石に。

改めてブログと言う媒体と向き合って記事を「執筆」している訳ですが、今後自分がこの媒体に対してどの様な価値を見出し、どの様な手段として活用していくのか、

我ながら楽しみにしています。

 

今までは

Twitterで制限文字数と闘いながら、追加リプとの論理構成を気にしながら、視覚的な文字の美しさを考慮しながら

下手なりにも持論を垂れていましたが、

文字数の呪縛から解放され多少の安堵感を覚える一方で、言葉の美しさを自らの手で失わせてしまう不安もあります。

 

何事も会得するにはアウトプットが肝心。

と自分に言い聞かせて、

これからも下手なりに言の葉を垂れ流していこうと思います。タイピングの練習にもなるし。

 

どうぞお付き合いください。

 

 

 

 

 

 

 

 

アメーバピグとかどうなってんだろうな…。